すらすら読む!古文書

吉田松陰書簡よしだしょういんしょかん 月性宛げっしょうあて

ジュニアすら読み!

ジュニア向け現代語訳

今朝けさ 早くに清水が出発しました。十一日 追伸ついしん   とら

昨夜、 中谷正亮なかたにしょうすけ が藩の重役の 清水図書しみずずしょ のところへ行き、幕府がいよいよアメリカのいいなりとなっても、 長州藩ちょうしゅうはん だけは 日米通商条約にちべいつうしょうじょうやく に同意しないことが当然であり、 の中の かわず のような せま い見方を捨てて、国内外の事情を広く探るべきとの意見を申し上げたところ、清水氏も大いに喜び、決心の様子が 間近まぢか に感じられたと、本日早朝に 正亮しょうすけ が来て話しました。ただ藩の重役の 益田弾正ますだだんじょう 大夫だいぶ たちへの議論は気をつかわなければならないので、昨夜、中村 道太郎みちたろう 土屋矢之助つちややのすけ へ手紙を送ったところ、土屋がやって来て、 夜通よどお し話し合いました。中村と土屋の二人で政府を説得し、その結果をすぐに清水に伝えることになっています。

このことでは、 月性上人げっしょうしょうにん 秋良敦之助あきらあつのすけ がぜひとも必要で、萩へお越しになることをお持ちするのみです。今後新しい話があれば連絡をお待ちしております。僕も清水へ手紙を送ります。これを中国の歴史上の人物たちの行動に例えるのは、根拠のない議論かどうか機会があるときに教えてださい。

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